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2019-03-31

報道されない「特別会計」を足した平成31年度予算の真相

報道されない「特別会計」を足した平成31年度予算の真相[HRPニュースファイル1965]

http://hrp-newsfile.jp/2019/3495/

HS政経塾スタッフ 遠藤明成

◆「一般会計」の3分の1が社会保障関係費

3月27日に成立した2019年度予算(一般会計)は約101兆円でした。

昨年よりも3.7兆円増えたのですが、そのうち2兆円が増税対策に使われます。

最も大きく伸びたのは社会保障関係費で、その増額分は1兆円でした。

項目別の累計額を見ると、社会保障関係費は34兆円なので、一般会計の3分の1です。

7兆円の公共投資、約6兆円の教育予算(科学含む)に比べると、段違いの規模を誇っていることが分かります。

(※読みやすさを考慮し、原則として予算額は四捨五入しています)

◆「一般会計」は100兆円。では「特別会計」は?

しかし、これは政府予算の全てではありません。

政府予算には「一般会計」のほかにも「特別会計」があるからです。

特別会計というのは、国が行う事業や資金運用などに用いる会計のことです。

具体的には、年金(医療含む)、財政投融資、地方財政の支援、震災復興などの項目があり、それらを足すと、額面上は400兆円近い規模になります。

しかし、そこには、一般会計と特別会計で二重に計算された金額が含まれているので、実額は半分程度です。

重複分を除いた特別会計は200兆円程度と見られています。

(一般会計の場合、重複分を引くと、実額は45兆円前後になる)

例えば、2017年は、特別会計の実額が196兆円、一般会計の実額(重複分除く)が43兆円。

両者の合計は239兆円でした。

(※この数値は財務省の「平成30年度 特別会計ハンドブック」による)

◆新聞記事をいくら読んでも、本当の2019年予算の姿は分からない

日本の財政は「一般会計+特別会計」から重複分を除いた数値(純計額)を見ないと、政府の本当の歳入と歳出はつかめないようになっています。

しかし、特別会計は複雑すぎるので、新聞やニュースなどは、その詳細をきちんと国民に伝えていません。

そのため、財務省HPで、その純計額を確認してみます。

【2019年予算】

〇歳入:244.5兆円

(租税収入が65兆円。年金や医療などの社会保険料は46兆円)

〇歳出:243兆円

※財務省「財政法第28条等による平成31年度予算参考書類」を参照。次節も同じ。

◆「(一般会計+特別会計)-重複分」で見た政府の七大支出

そして、規模の大きな歳出を見ると、社会保障関係費と国債費が目立っています。

※値は全て四捨五入。()内は「費用÷歳出純計」の割合。

―――――

〇1:社会保障関係費 92兆円(38%)

(年金給付費が55兆円、医療給付費が22兆円、生活扶助等が5兆円、雇用、介護と少子化対策が3兆円ずつ、)

〇2:国債費:87兆円(36%)

〇3:地方自治体支援 19兆円(8%)

(そのうち地方交付税交付金が16兆円を占める)

〇4:財政投融資 13兆円(5%)

〇5:公共事業関係費 8兆円(3%)

〇6:文教及び科学振興費 6兆円(2%)

〇7:防衛関係費 5兆円(2%)

―――――

純計額で見ても「社会保障関係費」が最大の項目になっています。

しかし、この92兆円は、社会保障で使われるお金の全てではありません。

厚生労働省は、昨年に、2016年の「社会保障給付費」は117兆円に達したと発表しています。

こちらの「社会保障給付費」のほうが、計上する範囲が広く、給付の総額を反映しているのです。

※社会保障給付費はILO基準に基づいて算定。具体的には、社会保険制度、家族手当、公務員への特別制度、公衆衛生サービス、公的扶助、社会福祉、戦争犠牲者への給付などが含まれる。

◆年間歳出のうち社会保障が占める本当の割合は?

結局、基準の取り方で、2019年の歳出に占める社会保障の割合は、ずいぶん違って見えてきます。

まず、一般会計(101兆円)のうち「社会保障関係費(34兆円)」が占める割合は34%です。

―――――

ところが、「一般会計+特別会計」の純計(243兆円)のうち、社会保障費が占める割合はもっと高いのです。

〇1「社会保障関係費(92兆円)」÷「歳出純計(243兆円)」=38%

〇2「社会保障給付費(121兆円)÷「歳出純計(243兆円)」=50%

※2019年の社会保障給付費は未定なので、2018年の財務省予測値を代入

―――――

一般会計だけで見ると、社会保障予算は全体の1/3に見えます。

しかし、実際は、社会保障給付費は、政府支出の半分ぐらいの規模にまで拡大しているのです。

この給付費は2010年は105兆円だったので、1年につき2兆円の勢いで増えてきました。

このペースで行けば、一般会計の数値しか国民が知らない間に、社会保障費が政府支出の6割、7割を占める規模に拡大しかねません。

◆特別会計の金額が分からなければ、国民は正しい判断ができない

今のままでは、現役世代の負担が年々重くなり、日本は、若者が夢を描けない国になってしまいます。

しかし、国民には、その危険性が伝わっていません。

そのため、選挙では、社会保障費の大盤振る舞いを掲げた政党が勝つこともよくあります。

結局、財政の本当の姿を伝えなければ、国民は主権者として正しい判断ができないわけです。

◆特別会計の「見える化」が必要

こうした問題をなくすには、複雑すぎる特別会計を「見える化」しなければなりません。

政府がきちんと国民への説明責任を果たさない限り、日本の公会計は、国民にわからない「謎のエリア」であり続けるでしょう。

難題ではありますが、透明性の高い公会計をつくることは非常に大事です。

幸福実現党が目指す「小さな政府、安い税金」を実現するためには、公会計を国民の手に取り戻さなければなりません。

国民に理解できない公会計のもとで、国民主権が正しく機能するはずがないからです。

【参考】
・財務省「平成31年度予算のポイント」
・財務省「平成30年度 特別会計ハンドブック」
・財務省「財政法第28条等による平成31年度予算参考書類」
・財務省主計局「社会保障について」
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◎幸福実現党公式サイト http://hr-party.jp/
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2019-03-28

安倍首相の右手には「カジノ法」、左手には「ギャンブル禁止法」 本音はどっち?

安倍首相の右手には「カジノ法」、左手には「ギャンブル禁止法」 本音はどっち?[HRPニュースファイル1963]

http://hrp-newsfile.jp/2019/3491/

HS政経塾スタッフ 遠藤明成

◆安倍政権が「カジノ法」の施行令を閣議決定

3月26日に、安倍内閣は、カジノを含んだ統合型リゾート(IR)施設を整備するための施行令を閣議決定しました。

これは、2018年にできた「IR推進法」(※)を具体化するための措置です。

巨大ホテルや国際会議場の併設が必須とされ、カジノ事業者に100万円以上の現金とチップを交換した顧客の情報を国に報告することが定められました。

しかし、その中で、とりわけ違和感があるのは、カジノ広告は外国人向けに空港などの入国審査区域に限って出せるという規定です。

そこには「日本人に賭博をすすめるのはよくないが、外国人にはすすめてよい」という考え方が見てとれます。

これは「外国人が賭博中毒になろうが、我々には関係ない。儲かればいいんだ」という発想なので、海外から見れば利己的な金儲け第一主義に見えるのではないでしょうか。

(※IR推進法の正式名称は「特定複合観光施設区域整備法」。IRはIntegrated Resortの略)

◆「IR推進法」のいちばんの強調点は「カジノ」

このあたりに、この法案を進める政治家の本音が出ています。

施行令では「カジノはIR施設の3%まで」としているのは、反対する国民に、その規模を小さく見せたいからです。

しかし、施設の区域を広くとれば、大きなカジノでも「3%」に収まるのではないでしょうか。

この法律に関しては、いろいろな詭弁があるので、特に注意が必要です。

そもそも、「統合型リゾート施設」とし、「IR推進法」と呼ぶのは、「カジノ法」と呼んだら誰も賛成しないからです。

「ホテルや国際会議場、展示施設なども一緒につくればいい」という論調も根強いのですが、法案でいちばん力点が置かれているのは、やはり、カジノ新設です。

それは、第一条に書かれた「目的」を見ればわかります。

そこには、国の監視と管理の下で「カジノ事業」を営み、その収益を活用して「特定複合観光施設区域の整備」を促すと書かれています。

そして、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現する」ために、カジノ事業の免許や規制、料金、管理委員会のあり方などの大枠を定めたのです。

しかし、カジノに「魅力」を感じ、「滞在型観光」を実現する人が増えることで、何が起きるのでしょうか。

◆日本はすでにギャンブル依存者が多い国になっている

当然、カジノの開設で懸念されるのは、ギャンブル依存者の増加です。

しかし、すでに日本は、ギャンブル依存者が多い国になっています。

厚生労働省が2017年に外部委託した調査によれば、成人の3.6%が生涯を通じて「ギャンブル依存症が疑われる状態になったことがある」とされています。

(※国立病院機構久里浜医療センターの調査)

同じ基準で見た時に、フランスは1.2%(2011年)、韓国は0.8%(2010年)なので、日本は他国よりも高いのです。

これを国勢調査のデータに換算すると約320万人になります。

最近の1年間に「依存症が疑われる状態だった人」は70万人(0.8%)と見なされています。

これ以上、ギャンブルで人生を棒に振る人を増やしてはなりません。

◆「ギャンブル等依存症対策基本法」とカジノ建設は矛盾する

大きな矛盾なのですが、安倍政権下で、2017年には「ギャンブル等依存症対策基本法」が成立していました。

こちらでは、ギャンブル依存症が本人と家族を苦しめ、「多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせている」ことへの対策が定められています。

これをつくった翌年に「統合型リゾート」を推進する「公共政策」と称して、IR推進法をつくったのです。

しかし、公共政策というのは、道路や水道のように、みなが必要であるのに、民間だけではつくれない財(公共財)を提供する政策のことです。

カジノを含めた「統合型リゾート」は、そうした「誰もが必要とするもの」ではありません。

だから、これが「公共政策」だというのは、大きなウソです。

結局、安倍政権は「ギャンブル等依存症対策基本法」との矛盾を隠すために、国民をあざむいているのです。

◆日本は、正攻法で経済を復興すべき

やはり、日本は「カジノ」のような奇策ではなく、正攻法で発展を目指すべきです。

そのためには消費税の減税等が大事ですが、あえて、カジノの代案を挙げるのなら「証券課税の廃止」がそれにあたります。

これは、日本人の投資を増やすだけでなく、海外の投資家に日本の株式を買ってもらったり、富裕層を招き入れたりする政策だからです。

約2割の証券課税は、所得税を取られた後に投資をした時の「儲け」にかかっています。

売却益にも配当金にもかかるのですが、これが二重課税であることは明らかです。

NISAという非課税の投資枠もありますが、これは年120万円、5年で600万円が上限です。

もともとは長期投資の活性化を目指したのですが、上限が小さく、謎の5年枠がついているために、「ないよりはまし」というぐらいの策に終わっています。

公益性のないカジノを国が主導するよりも、証券課税を廃止し、国民に企業への投資を推奨したほうが理に適っています。

新しいビジネスの創造は、国ではなく、民間主導で行われるべきだからです。

参考  
・国立病院機構 久里浜医療センター「国内のギャンブル等依存に関する疫学調査(全国調査結果の中間とりまとめ)」(樋口進院長/松下幸生副院長、2017/9/29)

・特定複合観光施設区域整備推進本部事務局「IR推進会議取りまとめ(概要)~「観光先進国」の実現に向けて~」(2017年8月)
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2019-03-27

年金支給開始年齢「65歳」はいつまで続く?

年金支給開始年齢「65歳」はいつまで続く?[HRPニュースファイル1962]

http://hrp-newsfile.jp/2019/3490/

HS政経塾スタッフ 遠藤明成

◆2019年には年金の「財政検証」が行われる

今年の夏には「100年安心」の年金プランを保障するという名目で、5年に1度の「財政検証」が行われます。

具体的には、年金給付が会社員世帯の平均賃金の半分以下にならないように給付額を調整するのですが、この作業は、過去、2004年、09年、14年にも行われてきました。

国民の多くは年金に関心を持っているので、これは、参院選のあたりから、クローズアップされるはずです。

◆保険料だけで維持できない年金財政

今の年金制度は、保険料だけでは成り立たず、国費を用いて運営されています。

2017年の国民年金と厚生年金の歳入は52兆円ですが、そのうち保険料は32兆円です。

国の財政からお金を出して、運営を続けているのです。

(※運用損益や積立金の取崩し、解散基金への徴収金等があるので、必ずしも「給付額−保険料=国費」ではない)

そのため、将来に積立金が枯渇することを恐れ、給付を調整する「マクロ経済スライド」という仕組みが2004年に導入されました。

◆2019年の年金伸び率が0.1%となった理由

2019年には、年金伸び率が0.1%になったことが注目されました。これは、マクロ経済スライドが行われた結果です。

この制度は、賃金や物価を勘案した伸び率から調整率を引いて年金の給付額を決めます。

例えば、2019年は伸び率0.6%から調整率0.5%が引かれ、給付金は0.1%増えました。

(※この調整率は二年分。18年分が0.3%、19年分が0.2%。法改正で前年分の加算が可能になった)

しかし、伸び率から調整率を引くとマイナスになる時には、前年と同額の給付金が出されます(伸び率ゼロ)。

また、賃金や物価が下がった場合は、その下落率と同じ割合で年金が減ります。

この場合、下落率に調整率は足しません。

この制度は「自動調整制度」といわれますが、伸び率がプラスの時にだけ働くので、実際は、導入以後も給付金はあまり減っていません。

◆年金保険料 さらなる増額がやってくる?

厚生労働白書(平成29年度)を見ると、2004年から17年までの間、各人の年金支給額を減らしても、保険料が延々と上がり続けています。

その現状は以下の通りです。

【老齢基礎年金】(40年納付満額】

満額で計算すると、1月あたりの基礎年金の受給額は13年間で2%(1267円)しか減っていません。

☆66208円(2004年)⇒64941円(2017年)

【夫婦の基礎年金+夫の厚生年金】

また、標準的なモデル世帯の年金受給額(月あたり)は13年間で5%(12022円)の減額でした。

☆233299円(2004年)⇒221277円(2017年)

しかし、年金の保険料は、もっと大きく上がっています。

2004年に月13300円だった国民年金の保険料は、2017年に16900円に達しました。

また、給料にかかる厚生年金の保険料率は、同じ期間で、13.9%(04年)から上限の18.3%(17年)にまで上がっています。

現在、保険料は上限に達し、現役世代は一息ついています。

しかし、これからも少子高齢化は進むと、さらに保険料が上がる恐れがあります。

選挙で高齢者票は捨てがたく、支持率低下を恐れる安倍政権が給付を減らすのは難しいからです。

◆現役世代の負担をこれ以上、増やせるのか

政治家は年金の大盤振る舞いを続けてきましたが、今の支給額を維持するのは難しいことです。

少子高齢化によって、現役世代の負担はどんどん増えているからです。

2020年には、1人の高齢者を2人の現役世代で支えますが、こんな数字は、年金ができた頃には「想定外」でした。

国民年金法ができた頃には、1人の高齢者を11人の現役世代で支えていたのです(※1960年。国民年金法は59年成立、61年施行)。

この情勢の中で現役世代の負担を延々と増やし続けることはできません。

現役世代には、子育てや新しい仕事の創造といった、未来のためのお金も必要だからです。

◆年金支給開始年齢の引き上げは自然な流れ

そのため、年金改革の議論の中では「年金給付の開始年齢を引き上げるべきだ」という主張が出てきます。

財務省が68歳への引上げ案を出したこともありましたし、70歳への引上げを提言する識者も少なくありません。

世界から見ても、日本は平均寿命の長い国だからです。

この是非を考える際には、年金ができた頃に、少子高齢化を想定していたかどうかを振り返る必要があります。

1960年の日本の平均寿命は、男性が65歳で、女性が70歳でした。

2016年の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳なので、56年で16歳以上、伸びています。

さらに、出生率は「2」(1960年)から「1.43」(2017年)にまで下がっています。

これだけ世相が変われば、支給開始年齢が引上げられるのは、仕方のないことです。

負担と給付のバランスをとるために、まずは68歳、さらには70歳にまで上げざるをえないのではないでしょうか。

【参考】
・厚生労働省年金局「厚生年金・国民年金の平成29年度収支決算の概要」(2018/8/10)
・日経電子版「年金額0.1%増に抑制、マクロ経済スライド発動 19年度」(2019/1/18)
・日本年金機構HP「マクロ経済スライド」
・厚生労働省『平成29年版厚生労働白書 資料編』
・内閣府『平成30年版高齢社会白書』
・内閣府『平成30年版少子化対策白書』
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2019-03-25

「医療費40兆円」時代の制度改革 所得に応じた窓口負担へ

「医療費40兆円」時代の制度改革 所得に応じた窓口負担へ[HRPニュースファイル1961]

http://hrp-newsfile.jp/2019/3487/

HS政経塾スタッフ 遠藤明成

◆経済成長率 VS 医療費の伸び率

2001年に31兆円だった日本の医療費は、2017年に42兆円に増えました。

16年で1.35倍なので、医療費の伸び率は1年あたり1.9%。

この勢いは、日本の実質GDPの伸び率の二倍以上なので、今の日本では「医療費を誰が負担するか」が、大きな問題になっています。

経済のパイはたいして大きくならないのに、医療費にさかれる割合が上がり、現役世帯の国民健康保険料が上がり続けているからです。

(※01年~17年の実質GDPの平均伸び率は0.8%)

◆病院に行くのは虫歯と風邪ぐらいなのに・・・

2017年の医療費を人口で割ると、一人あたり33万3千円。

12ヶ月で割ると、1ヶ月あたり27750円。

ただ、これは人口割なので、現役世代は、もっと多くのお金を支払っています。

例えば、東京の文京区で年収が432万円の方には、年間で50万円ぐらいの国民健康保険料がかかります。

(※これは文京区HPの簡易計算ページで算定。432万円は2017年の平均年収)

年収の1割以上の保険料なので、虫歯の治療と風邪の検診ぐらいしか病院に行かない人には、高すぎる数字です。

◆後期高齢者医療の費用は現役世代の4倍以上

朝日デジタル(2018/9/21)は、医療費増の要因として「75歳以上の後期高齢者の医療費が伸びたこと」をあげ、その費用は「全体の増加分の7割超を占めた」と報じています。

国民一人あたりの医療費を見ると、75歳以上の医療費は94.2万円。

75歳未満は22.1万円なので、高齢者医療には、現役世代の4倍以上のお金がかかっています。

◆高齢者の医療費が「1割」で済む背景

しかし、多くの後期高齢者が支払う医療費は「1割」で済んでいます。

「現役世代並み」の収入があれば高齢者も3割負担になるように改革されましたが、その認定基準が緩いからです。

―――
〇75歳以上の高齢者が世帯に1人。収入額が383万円未満 ⇒医療費は1割

〇75歳以上の高齢者が世帯に2人。収入額合計が520万円未満 ⇒医療費は1割
―――

そのため、たいていは1割負担となり、足りない分の医療費は現役世代の保険料と公費でまかなわれています。

◆今の日本では、貧しい若者が豊かな高齢者の医療費を負担? 

むろん、生活に困った高齢者に対しては、セーフティネットとしての医療が必要なので、「1割」という負担額がちょうどよい方もいます。

しかし、この制度には「貧しい若者が豊かな高齢者の医療費を負担する」事態が生じかねない、という問題があります。

そのため、総務省の「家計調査報告」から、世代別にみた資産の平均値を見てみましょう。

〔以下、年代:純資産(貯蓄-負債)で表記。単位は万円〕

―――
〇 40歳未満:-521万(602万-1123万)
〇 40~49歳:19万(1074万-1055万)
〇 50~59歳:1082万(1699万-617万)
〇 60~69歳:2177万(2382万-205万)
〇 70歳以上:2264万(2385万-121万)
―――

あくまでも平均値なので、個々の世帯はいろいろですが、このデータからは、お金に困っていない高齢者もかなりいることが推測できます。

◆後期高齢者の医療負担は「年齢」ではなく「所得」で決めよう

平成29年度の医療費を見ると、総額42.2兆円のうち、75歳以上の医療費は16兆円なので、総額の4割(38%)を占めています。

そして、後期高齢者医療は「公費が5割、現役世代の保険料が4割、自己負担が1割」なので、16兆円のうち約1.6兆円が自己負担分とみられます。

残りの14.4兆円は74歳以下の保険料や公費でまかなわれているのです。

これを所得に応じて医療費を負担する仕組みに変え、後期高齢者が平均で2割を負担すれば1.6兆円の医療費が軽減されます。

これから75歳以上の方が増えていきますが、「団塊世代の中には、受け取る年金だけでも、夫婦で400万円を超える世帯も珍しくない」(土居丈朗氏・慶大経済学部教授)ので、かなりの世帯は負担増に堪えられるはずです。

低所得者もいるので、みなで3割負担は難しくとも、「2割以上の負担」が実現すれば、公費と現役世代を足した負担分を2兆円近く減らせる可能性があるのです。

◆少子高齢化の進展により、「1割負担」の改革は不可避

少子高齢化が進み、現役世代が支える高齢者の数は増え続けているので、「1割負担」をいつまでも続けられるとは思えません。

『高齢社会白書(平成30年版)』は、65歳以上人口と15~64歳人口の比率の推移を比較しています。

そして、高齢者1人あたりの現役世代の数を、以下のように見込んでいたのです。

―――
〇1950年:現役世代12.1人
〇2015年:現役世代2.3人
〇2020年:現役世代2人
〇2035年:現役世代1.7人
―――

現役世代が減れば、一人あたりの社会保障費の負担はどんどん重くなります。

若い世代に多くの社会保障費を課せば、日本の活力も失われていきます。

現役世代には、子育てや新たな仕事の創造など、未来のために使えるお金が必要だからです。

そのため、高齢者の医療負担は「年齢」ではなく、「所得」に応じた基準に改める必要があるのではないでしょうか。

※高齢者が高額の医療負担に直面したらどうするのか。

日本では高額療養費制度によって自己負担の限度が定まっているので、前掲の変革で医療費の上限は変わらない。低所得者に限定して「1割負担」を残せば、セーフティネットとしての医療は維持できる。

【参考】

・日経電子版「国民医療費とは 15年度42兆円 1人あたり33万円」(2018/9/17)
・朝日デジタル「昨年度の医療費、過去最高42.2兆円 2年ぶりの増加」(2018/9/21)
・文京区HP「国民保険料簡易計算」
・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成29年(2017年)平均結果―(二人以上の世帯)」
・厚生労働省保険局調査課『-平成29年度 医療費の動向-』
・東京都後期高齢者医療広域連合「医療費の現状」
・土居丈朗「高齢者の医療費は原則「3割」に引上げよ」(東洋経済デジタル版)
・内閣府『平成30年版高齢社会白書(全体版)』
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2019-03-24

米中ともに大減税なのに、日本だけは増税?

米中ともに大減税なのに、日本だけは増税?[HRPニュースファイル1959]

http://hrp-newsfile.jp/2019/3484/

HS政経塾スタッフ 遠藤明成

◆米中英仏が「減税」を決定

安倍政権は消費税増税を目指していますが、世界の主要国は減税に向けて動いています。

米国で成立した「トランプ減税」をはじめとして、英仏の法人税減税や、中国での減税などが進んでいるのです。

3月の全人代で中国の減税プランが固まったので、四カ国の減税を紹介し、日本の増税路線の是非を考えてみます。

◆トランプ減税 10年間で1.5兆ドルの衝撃

 

まず、トランプ政権下で17年12月に成立した共和党の減税法案を振り返ってみます。

10年間で約167兆円(1.5兆ドル)となる減税の中身は以下の通りです。

―――

〇所得税

・最高税率引下げ:39.6%⇒37%

・二種の控除を統合:12000ドルに拡大

・児童控除を倍増(1000ドル⇒2000ドル)

・家族控除を新設(500ドル)

〇遺産税(日本でいう相続税)

・控除枠を倍増(550万ドル⇒1100万ドル)

〇法人税

・連邦法人税率を引下げ:35%⇒21%

・小規模ビジネスの事業所得への20%控除を創設

―――

特に注目を集めた法人税減税では、21%の税率の上に州法人税がかかります。

(州法人税の税率は0~12%の範囲。50州のうち23州が3~6%台。6州が0%)

日本の法人税は約30%(実効税率)なので、米国との税率差が広がりました。

◆英国、フランスの法人税減税

英国の法人税は19%ですが、これが2020年4月以降は17%になります。

EU離脱の衝撃を考えれば、これは、必要な措置です。

また、フランスでは、現行33.33%の法人税(実効税率)が2020年には25%にまで下がります。

中小企業に15%の軽減税率が適用されることも決まりました(「売上高が763万ユーロ未満」等の条件がある)。

これは、成長鈍化への対策として打ち出された大幅減税です。

◆何と、中国で「大減税」が進行中

そして、興味深いのは、景気減速を恐れた中国の「大減税」です。

すでに18年には21兆円相当(1.3兆元)の減税が実施されています。

―――

〇18年減税

・消費税に相当する「増値税」を1%減税(16%/10%/6%の三段階)

・法人税減税(研究開発控除の拡大、赤字を翌年損金に計上、小規模企業への優遇税制など)

・個人所得税の課税最低限引上げ:3500元⇒5000元

―――

18年の所得税減税で、年収200万円の会社員の負担は年5万円ほど減ると見られています。

19年3月の全人代では、33兆円(2兆元)もの追加減税が決まりました。

―――

〇19年減税

・製造業の増値税:16%⇒13%

・交通、運輸、建築業の増値税:10%⇒9%

・企業の税負担と社会保険料の軽減

―――

トランプ政権の減税は1年あたり16兆円程度でしたが、19年の中国の減税額は、その二倍の規模です。

◆日本だけは、なんで「増税」?

 

このように、日本よりも経済成長率の高い国々が、未来に備えて減税を進めています。

2018年の実質GDPの伸び率は、米国は2.9%、英国は1.4%、フランスは1.5%。

中国は6.6%とされますが、日本は0.8%でした。

にもかかわらず、安倍政権は「景気がよいから大丈夫」と楽観し、消費税10%を目指しています。

残念ながら、成長率の低い日本のほうが、増税を選んでいるわけです。

しかし、本来、増税ができるのは景気がよい国であり、減税が必要なのは、景気の悪い国のほうです。

経済の常道から見れば、自公政権がいう消費税増税は撤回しなければなりません。

幸福実現党のいう、消費税5%への減税が必要なのです。

(参考)
※財務省主税局調査課 『「トランプ税制改革」について』(日向寺裕芽子/塩田真弓)
※TAX FOUNDATION “State Corporate Income Tax Rates and Brackets for 2018″(Morgan Scarboro)
※日経電子版「中国、年5兆円規模の所得減税 貿易戦争に備え」(2018/9/27)
※JETRO「李克強首相、4月1日から増値税率引き下げを発表」(2019/3/18)
※JETRO「全人代で2019年も増値税率引き下げの方針を発表」(2019/3/15)
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◎幸福実現党公式サイト http://hr-party.jp/
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